「差し上げる」は謙譲語なのか?

今日、同僚が取引先の人に電話で話していた言葉「予定が決まり次第、お電話差し上げます」にちょっとひっかかりました。取引先なので一応立てるべき人なのですが、その人に「差し上げます」という表現はありなのだろうか? と。

疑問に思って調べてみると、広辞苑では「差し上げる」は「与える」の謙譲語とありました。つまり自分がへりくだる言葉なので、用法的には妥当ということになりそうです。

しかし、何か自分の感覚とズレが感じられます。たとえば、

  • 先生が生徒に
    • 「この本はためになるので差し上げましょう」→ありそう。
  • 逆に生徒が先生に
    • 「この本は面白いので差し上げまます」→これは、あまり言わないような。。。

ネットを検索してみると、不在の人間に電話をかけてきた人に対して「折り返しお電話差し上げます」といったら相手が不機嫌になったというような話もあったので、あながち私の感覚だけがずれているわけでもなさそうです。

言葉も生き物ですから、ひょっとしたらこの言葉もいま意味が変わりつつあるのかもしれませんね。たとえば「貴様」という言葉が昔は敬称であったのに、今は同輩以下あるいは相手をののしる場合にしか使われないように。