特異なデータ分析ツールQlikView

最近、仕事の関係でBI(Business Inteligence)ツールを調査しています。その過程で見つけたスウェーデン生まれのQlikViewというツールがなかなか面白そうだったので、ご紹介します。日本での提供元の情報は以下を参照してください。

 http://www.syllogic.jp/p1.htm

一般にBIツールは大量のデータを取り扱うために大掛かりな仕掛けを準備していることが多いのですが、このツールはかなり特異な割り切り方をしています。

まず、普通のBIツールはデータを保持して処理するために基盤にRDBやOLAP DBを使用していることが多いのですが、QlikViewの場合は全てのデータをメモリ上で処理するという特徴を持っています。格納するデータは圧縮されるので、オンメモリでも数千万件のデータを扱えるようです。

また、格納したデータテーブルの結合にも特徴があります。通常はデータ提供元のDBの結合情報を読み取ったり、あとから手動で結合を定義したりすることが多いと思いますが、QllikViewの場合は同じ名前のフィールドは有無を言わせず結合してしまう、という方針のようです。逆に言うと、結合したいのに名前が異なるフィールドの場合には、QlikViewに読み込む段階で名前を変更して揃える必要があるということです。かなり強引ですが、もともと結合するフィールドは同じ名前のことが多いですし、慣れればこういうのもありかという気がしてきます。

データはODBC接続のDBやCSVファイルなど、色々なところから読み込めます。

UIは操作性が特異なので、最初使い方を把握するまでに少し苦労しますが、ソフト自体はオンメモリで処理するという性質上、一般のパソコン程度でもサクサク動きます。一旦データをメモリ上に読み込んでしまえば、後はデータの絞込みやチャートでの表示、ピボット表による分析など、色々なことが行えるようです。

更に特筆すべきは、上のサイトでQlikViewパーソナルエディションという試用版が入手できるのですが、これが個人使用であれば無償で使用できるということです。作成したファイルが他の環境では読み込めないという制限はあるようですが、使用期限などは無く使い続けられます。

表計算ソフトでは扱えない数万件以上のデータを処理する必要が発生した場合に備えて、覚えておくと良さそうです。